掲載日2014年12月10日
みなさんこんにちは!みんなの森づくりHP担当の後藤です。
月日が経つのは早いものでもう12月。
先日帰省したときに、年末の大掃除に向けて、部屋の整理をしていたところ、引き出しの奥から小学校の習字の授業で書いたであろう毛筆の作品が出てきました。
半紙にでかでかと書かれた下手くそな文字は「ネアンデルタール人」。
先生が書かせたのか、当時の自分が面白いと思って書いた結果スベったのか・・・
真相は謎のまま、僕はそれをそっと燃えるごみに出しました。
さて、墨汁といえば炭!炭といえば木炭!(強引ですが・・・笑)
今回は平成26年12月6日(土)に実施した豊かで美しい森づくり事業(炭焼き)についてお伝えしたいと思います。
燃料としてはもちろん、脱臭剤やろ過剤としても使用される木炭。
ではこの木炭はどのようにつくられるのか・・・
「そりゃあ、木を焼いてつくるんでしょ」ついこの間まで僕もそのぐらいに考えていました。
「木を焼く」(今回は主に竹)。口で言うのは簡単です。
しかし、その裏側には炭づくりに情熱を燃やす男たちの長い戦いがあったのです。
当日は今年一番(12月6日時点)の冷え込みで、朝には雪がちらつくほどでした。
NPO法人 碧い海の会の古城さんから全体説明があった後、さっそく炭づくりに取りかかります。
まずは、「無煙炭化器」とよばれる器具を使っての炭づくりです。
自分の中で、炭づくりというのは、材料をかまの中でじっくりじっくりと焼いていくイメージでした。
しかし、この無煙炭化器を使った炭焼きは豪快そのもの!!
すり鉢みたいな形の無煙炭化器の中には火柱が立ち上り、その中に竹を次々と投入していきます。
あまりの炎に、バチバチという大きな音が響き渡り、最前線で竹を放り込む人は防火服を着て、消火器を持ってのフル装備です。
竹が燃え尽きて灰になる前に、その上から次の竹や小枝をくべ、炭の状態で仕上がるように調整します。
これを繰り返すため、火のそばには常に人がついていなければいけません。
この方法では、2~3時間で農業用のやわらかい炭ができあがります。
そこからドラム缶の中で空気を遮って1~2日冷まして完成!!
その横では同時進行で、「ふせ焼き」という方法での炭焼きが行われていました。
地面の穴に材料を入れ、火をつけてから鉄板と土を上からかぶせるという方法です。
最大の特徴は、すでにあるかまの中で炭を焼くのではなく、炭焼きと同時進行でかまがつくられるということ!
土をかぶせた後は温度計で煙の温度を測りながら炭を焼いていきます。
この方法でも、もちろん火の番の人は一日中つきっきりです。
松ぼっくりやどんぐりなどを缶に入れて、火にかける、花炭づくりにも挑戦しました。
花炭にすることで、植物が腐ることはなくなり、長い間かざりとして使い続けることができます。
自分の好きな色をぬって、クリスマスツリーのかざりとしてもご活用いただけます!
この花炭は15分ほどでできあがるので、ご家庭でもチャレンジできます。
みなさんもぜひつくってみてくださいね。
お昼ご飯はNPO法人 碧い海の会のみなさんのご厚意で、焼きイモとピザをいただきました。
実はそれまで焼きイモがあまり好きではなかった僕にとって、今回の、でき立ての焼きイモのおいしさは驚きでした。
じっくりと焼いたサツマイモは、中の甘みと少し焦げた皮の苦みが絶妙のバランスで、手がとまりませんでした。
一方ピザはというと・・・市販のピザにたまねぎやチーズ、ベーコンなどをトッピングし、かまで一気に焼きあげます。
さすがの火力!わずか1~2分でピザが焼きあがりました。
今回、僕はピザを食べてないので、直接食レポはできませんが、写真、匂い、食べた人の感想から、おいしくないわけがありません!!
「窯で焼いたピザを食べる」
僕の中でまた一つ新たな目標ができました。
昼休みはピザや焼きイモをいただきながら、ゆったり思い思いの時間を過ごしました。
いろりのそばで暖をとる大人チームと、まるで秘密基地のような碧い海会作業所で元気いっぱいに遊ぶこどもチームに自然に分かれました。
午前中で帰ることになっていたご家族もあったのですが、お子さんはよほど作業所を気に入ったのか、なかなか帰りたがりませんでした。
それまで会ったこともなかったこどもたちの間には、このわずかな時間にも友情が芽生え、「名前何ていうん?」「また今度絶対遊ぼうな!」という声が飛び交ってました。
そんなハートフルな昼休みも終わり、午後は昔ながらのかまでの炭焼きに挑戦しました。
かまは二つあり、そのうち一つには午前中のうちから、火が入れてありました。
このかまで炭を焼きあげるには2~3日という長い時間、交代で火の番をするという根気が必要になります。
温度計の数字と煙の色(温度が高くなるにつれて、煙の色が白→透明になっていくそうです)を見ながら入り口をレンガと土で徐々にふさぎ、空気の量を減らすことで、炭が燃え尽きて灰になってしまわないように調節します。
火がまだ入ってない方のかまには子どもたちが突入!!
かまの中は想像していたよりも広く、こどもたち全員が入っても、まだまだ余裕がありました。
その中にバケツリレー方式で炭の材料を運び込んでいきます。
しかし、かまの中にはまだまだ材料を入れる余裕があります。
そこで、竹をちょうどよい長さまで切り、かまの中にどんどん入れていくことにしました。
おとなもこどもも、参加者のみなさん一丸となって竹を切っては運び入れ、切っては運び入れ・・・
あっという間にかまの中に竹が敷き詰められていきました!
こうして、計4種類(厳密には5種類)の方法で炭焼きを実施しました。
しかし、今回はあくまでも火を入れただけ。
ほとんどの方法では、これから長い火の番が始まります。
講師のみなさん、本当にお疲れ様です。
今回で今年度の「竹灯篭づくり」「親子で記念植樹」「炭焼き」の全部で3回に渡る「豊かで美しい森づくり事業」もひとまず終了です。
自分たちの手で木を植えたり、竹を生まれ変わらせたりする体験を通じて 、里山を守り、整備していく今回の取り組み。
ご参加いただいたみなさんからは、「楽しかった」「また来年も参加したい」との温かい声をたくさんいただきました。
僕自身、事務局スタッフとして、本当に楽しく充実した時間が過ごせました。
また来年も、このようなイベントでみなさんにお会いできる日を心待ちにしております。
ご参加いただいたみなさん、そして講師のみなさん、大変お疲れ様でした。